MIMOは、高いスループットと広いカバレッジを実現し、ユーザー エクスペリエンスを向上させるため、周波数を効率良く利用するための重要な技術です。MIMOシステムは、より多くのRFチェーンと複数のアンテナアレイを装備し、大規模な展開に備えてネットワーク容量を増加させ、ビームフォーミング技術で複数のユーザーにサービスを提供します。TMYTEKのMIMOソリューションにより、理論を素早くプロトタイプに変換することができます。アレイアンテナのマルチセットを形成するためにビームフォーマー テストベッドを再構築する柔軟性を備えたこのソリューションは、大規模なMIMOアンテナ マトリクス テストベッドが可能であり、ビームフォーミング管理のためのアルゴリズム開発プラットフォームを提供します。また、SPI制御機能により、3GPPの要求を満たす超低遅延のビーム切り替えを実現しています。
MIMO(Multiple Input Multiple Output)は、より高いスループットとリンクの信頼性を実現できる無線技術です。送信側と受信側の両方に複数のアンテナを配置することで高いスペクトル効率を実現、また多重散乱効果により信号のフェージングを低減しSN比を向上させます。特にミリ波帯の通信に適しています。
MIMOには、複数のデータストリームをひとつのデバイスにのみ送信してスループットと信頼性を高めるSU-MIMO(Single-User MIMO)と、複数のデータストリームを複数のデバイスに同時に送信して遅延の少ない安定した通信を提供するMU-MIMO(Multi User MIMO)があり、ユーザー体験を向上させることができます。
Massive MIMOは、RFチェーンと複数のアンテナアレイを拡張・集約し、空間的多様性と多重利用を最大化して、複数の独立した信号を送信するものです。この手法により、スループットとカバレッジを劇的に向上させることができます。アンテナアレイから放射されるビームを管理するためにビームフォーミング技術を採用することがポイントで、異なるユーザーに対して同時に異なるビームを送信することが可能です。
ビームフォーミングは、位相とゲインを調整し、特定の方向に信号を集中させる高度なアンテナ技術です。異なるユーザーへの通信距離とデータレートを向上させると同時に、非対象エリア/デバイスからの干渉を低減させることができます。ビームフォーミングは、Massive MIMOとMU-MIMOを実現する上で重要な技術です。
TMYTEKのMIMOソリューションは、異なるビームフォーミングアーキテクチャに適応する柔軟な設計を特徴とし、5Gミリ波通信システムの設計者に開発プラットフォームを提供します。小規模なシステムから大規模で複雑なフロントエンドシステムまで、様々なアプリケーションを実現します。複数のビームフォーミングシステムを採用することで、MIMO開発プラットフォームを容易に構築することができ、エア インターフェースは設計されたビームパターンを放射するように制御することが可能です。ベースバンド開発者は、このMIMOソリューションにより、ビームステアリングやビームトラッキングなど、5G NR ミリ波システム向けの高度なビーム管理アルゴリズムの実験が可能になるため、メリットを享受することができます。このミリ波通信システムでは、ビームフォーミングアーキテクチャと異なるコンポーネントを用いたMIMOシステムをシンプルに実証しています。TMYTEKのMIMOソリューションは、周波数アップ/ダウンコンバータ(UDBox)、ビームフォーマーフロントエンド(BBox)、アレイアンテナ(AAkit)などを重要なコンポーネントとして重要な役割を担っています。
MIMO and Beamforming | Data Stream | Digital Processor | RF Chain | Splitter Combiner | PLO+Mixer | Phase Shifter | PA / LNA | Antenna | Beam |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
Full Analog | 1 SISO | 1 | 1T1R | 1 | 1 | Multiple | Multiple | Sub-array | One Beam at a time |
Fully Digital | Multiple | 1 | Multiple | x | Multiple | x | Multiple | Multiple / Sub-array | Multiple Beam simultaneously |
Hybrid | Multiple | 1 | Multiple | Multiple | Multiple | x | Multiple | Multiple / Sub-array | Multiple Beam simultaneously |
アナログビームフォーミングは、位相シフターと異なるアンテナでアンテナアレイを構成し、同じ信号源で異なる方向にビームを制御できるようにしたものです。
このアナログフロントエンドの利点は、単一のRFチェーンを複数の比較的安価なアンテナ素子に接続することで、カバレッジの向上を実現出来る点です。 これは通常、密集したエリアでのミリ波スモールセルの展開に適用され、デッドゾーンをカバーするために使用されます。
製品について詳しくはこちら:UDBox & BBox One 5G(16アンテナ素子) & BBox Lite 5G(4アンテナ素子)
先進のSPI高速制御機能。3GPP準拠のビームスイッチング:BBoxのSPI制御に基づく
例えば 1×4アレイアンテナによるSISOシステム
デジタルビームフォーミングは、ベースバンドにビームフォーミングアルゴリズムを適用、デジタル位相シフターを制御するもので、異なる信号から供給される個々のRFチェーンに対応します。
ベースバンドプロセスの利点は、柔軟なデジタル ビームフォーミングを可能にし、複数のRF-アンテナパスによる空間多重化をMIMOで使用するメリットをもたらす点です。この方法は、通常、アンテナ数の少ない屋内RF1システムで使用されます。これは、RFチェーンのコストがはるかに高くなるためです。
例:4つの個別の同時放射を備えたMIMOシステムでは、ビームフォーミング アルゴリズムがベースバンドに適用されたとき、デジタル 1x4 アレイ アンテナ ビームフォーミングを形成します。
ハイブリッドビームフォーミングは、デジタル方式とアナログ方式を組み合わせてビームフォーミングを実現するもので、ベースバンドでマルチストリーム伝送をプリコーディングし、アンテナアレイからの放射パターンを形成します。
この高度なアーキテクチャは、コストとエネルギーにメリットをもたらします。RF チェーン数の最小化・総電力消費量及び設計の複雑度の軽減が実現可能です。また、同時に異なるユーザーに向けて、異なるデータストリームの送信を行うマッシブMIMOやMU-MIMOに適用することができます。このソリューションは、FR2ミリ波帯のアプリケーションで必要とされています。
例えば、2×2 MIMOハイブリッドビームフォーミングでは、2つのUDBoxを16/4アンテナ素子のBBoxで接続し、4×4:3D/1×4:2Dのビームフォーミングを行なうことができます。
詳しくはこちら:ミリ波ビームフォーミングとマッシブMIMO
例:1×4サブアレイアンテナ2本で構成された2×2 MIMOシステム
お客様のプロジェクトに最適なソリューションをご提案します。
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